看護師(ナース)を観察 ②

 やっとめでたく退院の目処がついた。約1カ月、あー永かった。早速ナース観察の続きを留めておかなくては。

●妖しげ誘惑タイプ

普通に整ったきれいな顔のナース。消灯の時間が過ぎて病室がほぼ真っ暗になってからの出来事。仰向けに寝ている僕の顔から約10cmにそのナースの顔があった。体温を測りわすれたと胸倉をかき分け脇の下に体温計を入れる。照明もなしでわずかな息づかい、ひとつ間違えば官能小説シーンに陥ってしまう。翌日、昼間になぜか冗談を交えて30分も会話した。あと何回か合えば深くなると期待があったが、それ以降そのナースは僕の担当としては来なかった。

●お真面目な杓子定規タイプ

真面目だ!キチッキチッとナースの仕事をこなす。ただし経験は浅いようだ。僕の治療中の足を洗う時も実に丁寧で、おそらく学んだとおりの手順で進める。そして薬を付けて包帯、ううん? 手が止まった。できないんだ。薬の付け方を知らない、未経験なのか。その通りで先輩ナースを呼んで、指導のとおり丁寧に処置をしてくれた。頑張って!

●とにかく笑うタイプ

最初っからケラケラ笑っている。笑いながらテキパキとナースの仕事をこなす。笑うわりにはいい加減ではない。要領よくミスがない。あの笑いはなんなのか。それも対患者テクニックなのか。ひょっとしたらすごい看護達人かもしれない。

以上、ナース(看護愛)観察でした。ついでに医者について一言。

大学病院だから教授回診という教授の先生が患者を巡り、主治医の説明を受け、患者にも一言労いの言葉、という時間がある。その教授がいきなり来てベッドに寝ている僕を見るや「マスクしてください!」と言った。はは~ん? PCR検査を2日連続やって陰性、その後10日間の観察も何もなしの真っ新な僕に向かってなんという言葉。しかも外出も面接も禁止の病室暮らし。危ないのは外から来たお前の方だろ。「ここに寝ているだけなのにマスクしっろってオカシイな!」と言ってやった。