名古屋の鉄板イタリアンスパゲティ

 名古屋では喫茶店のスパゲティはイタリアン、ミートソース、カレーの3種類だった。ほとんどが温めた鉄板に溶き卵を敷き、その上にスパが乗っている。ちなみに焼きそばや焼うどんも鉄板に乗り目玉焼きがプラスされる。

 問題はイタリアンだ。これは名古屋以外ではナポリタンのこと。1980年代、月刊宝島の名古屋ネタ提供をやっていた頃に東京の人から聞いて初めて知った。当時はナポリタンというものの定義が頭の中になかった。ケチャップのスパゲティは当然イタリアンと思い込んでいた。美味しいのでよく食べたし学生時代のバイト先の喫茶店でもよく作った。

 名古屋を離れて12年が過ぎた。今でもナポリタンのことをイタリアンというのだろうか。なぜ名古屋だけがイタリアンになったのか、未だに不明だ。名古屋の知人に確認してもいいのだが、あえて連絡する程の大きな問題ではない。ネットで調べると名古屋市東区にある「喫茶ユキ」がルーツのようだがそこには行ったことがない。

 最近ランチは自分でスパを作ることが多いが、トマトケチャップを絡めたらイタリアン、トマト缶でのソースの場合にはナポリタン、と自分で区別している。

 いつか再び名古屋に行くことがあれば、場末の喫茶店で鉄板イタリアンスパを注文したい。